肉声と聞き紛うほどのテルミンの「唄声」、"Clara Rockmore's Lost Theremin Album"
- アーティスト: Clara Rockmore,Fritz Kreisler,Nadia Reisenberg
- 出版社/メーカー: Bridge
- 発売日: 2006/12/26
- メディア: CD
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先日図書館で借りたCDがすごく良かったのでメモ。
クララ・ロックモア (1911-1998) は、テルミンの世界的なヴァーチュオーソ。映画「テルミン」にも登場したのでご存知の方も多いかもしれないが、演奏はあまり音源化されていないそうで、CDでは上含め2枚しか確認できない。レフ・テルミン博士とはロシアからの移民仲間の関係。
Theremin - Clara Rockmore play "The Swan" (Saint-Sa〓ns)*1
初めて聴いたとき、「あれ、誰か歌ってるの?」って一瞬素で思った。テルミンってこんなにおそろしいほど肉声のような音が出せる楽器だったのか。大昔のレコードやラジオから流れてくるアリア歌手の歌声のような色褪せた音色。単なるサイン波合成機にここまで歌心を宿らせる演奏者の力量の凄まじさ。テルミンってボーカロイドの先駆的なところもあったんだろうか?検索してみたら、テルミンで初音ミク楽曲をカバーしたり、初音ミクでテルミンの音色を再現したりという試みを実際にやっている方々もいるようだ。
世界初の電子楽器であるだけでなく、世界で初めて「声楽」と「器楽」の境界を明確に抜け出そうとした楽器なのかもしれない。*2
このアルバムは2006年に本CDで初音源化した小曲集だが、録音は70年代のもの。
クララの実姉ナディア・ライゼンバーグがピアノ伴奏で参加しており、ブックレットには、この姉妹にMOOGの生みの親ことロバート・モーグという豪華ゲストを加えた鼎談が掲載されている。クララが初期モデルの表現力上の不満をテルミン博士にフィードバックし、改善を繰り返していった話だとか、クララの50年物のテルミンが壊れたのをモーグ博士が週末に直しに行った話だとかがされている。
クリエイティブになろうよ!かわいく狂ったアートアニメ "Don't Hug Me I'm Scared"
Don't Hug Me I'm Scared from This Is It on Vimeo.
ロンドンのアーティストグループThis is itの作品。
メルヘンなキャラクタたちが囲む食卓で、僕と契約しようよ!的なノリで突如クリエイティブについての啓蒙を始めるメモ帳くん。かわいらしいエレクトロポップな曲に乗せて、「さあ、みんなでクリエイティブになろう!」等とみんなをクリエイティブの世界とやらに誘うのだけど、何だかおかしな方向に。
アーティストという立場ならではの皮肉が効いてて、いかにもイギリス的なブラックユーモアって感じがする。
"Green is not a creative colour."にも笑った。何でだよ!
同アーティストの"Bad Things That Could Happen"もかわいくてばかばかしくて良いです。
(via しちごろく)
回転木馬と少女の夢: "UN TOUR DE MANEGE" / 神の乗り物と少年の夢: "GARUDA"
UN TOUR DE MANEGE from alexis liddell on Vimeo.
幻想アートアニメーションを2本紹介。
作者はフランスの名門映像・アニメーション専門学校GOBELINS L'ECOLE DE L'IMAGE出身とのこと。
GARUDA from alexis liddell on Vimeo.
もう一つの短編作品。これも良いです。
This Town Needs Guns - 26 Is Dancier Than 4
This Town Needs Guns - 26 Is Dancier Than 4
大好きなバンド&曲。こちらでは貼ったことなかったな。
ホワイトボード上で展開するコマ撮りアニメーションもののPVも、シンプルながらほのぼのとしてて良いですね。
以下変拍子メモ。
彼ら、曲調は美しいけど、その正体は曲名で「4拍子より26拍子のほうが踊れるよね!」って主張するどマニアさん。しかし実際に曲中で26拍子と解釈できるのは最後の30秒だけっぽい(5/8*4 + 3/4)。ただ最初のサビっぽいセクションも4/4が13小節で52拍だったので26の倍数と解釈できなくもない。残りは30拍のループ(14/4 + 16/4)と3/4の繰り返し。うーん、どう解釈しても26ではないな。
動画のコメント欄も拍子談義で盛り上がってるみたいだけどめんどくさかったので読んでない。