無風を待つ人の記録

風に流され生きてきた 風が止んでも生きていたい

全米有数の絶景の野外音楽フェス、サスカッチ・ミュージック・フェスティバルに行ってきた(2): アーティスト感想編

これは以下の記事の続きです。
>> (1) 会場感想編


前回は会場について書いたので、今度は観たアーティストについて。もともと知ってるバンドより、これを機に初めて聴いたバンドのほうが多く、新鮮な出会いに満ちた良い機会だった。
以下、観たアーティストを個別に列挙。
まあ、あの、かなり思い入れが先走った内容なので、ぶっちゃけ読みにくいと思います。ご堪忍。

続きを読む

全米有数の絶景の野外音楽フェス、サスカッチ・ミュージック・フェスティバルに行ってきた(1): 会場感想編


米国では、5月末頃の週末はMemorial Dayという祝日のため3連休になる。


ワシントン人にとっては、雨と寒さと日の短さで何にもやることがない鬱々とした長い長い冬がいよいよ終わる時期であり、また休日になるような祝日の数がとても少ない米国においては、これが実は一年最初の公的な連休だったりするということで、猫も杓子も家族を連れて海に山に川にぞろぞろ出かけていくタイミングである。ワシントン州はそういう人々のためのスポットには全く事欠かず、必然的にワシントン人は全員アウトドア大好きっ子である。100%例外なくそうである。インドア派の極致のような自分でさえこっちの自然にはものすごい魅力があって、機会すなわち時間と金と車と機材と天気と仲間さえ揃えばどんどん行きたいと思うのだけど、たったこれだけの条件が案外揃わないのが悲しき出張社員の身の上である。


さて、そんな全ワシントン人にとってヴェルタースオリジナル級に特別な存在であるメモリアル連休に、ワシントン州中部の渓谷地帯で毎年開かれている野外音楽フェスティバル Sasquatch! Music Festival へ行ってきた。
日本ではフェスティバル自体の知名度は(たぶん)高くないけれど、この突発的モブ動画やこれをネタとした講演「社会運動はどうやって起こすか」はご存知の方もいるのでは?*1


>> Sasquatch! Music Festival


冒頭の写真を見てもらえばわかる通り、このフェスの最大のウリは、日本では絶対にお目にかかれなさそうな絶景をバックに設営されたメインステージ。
この会場はシアトルとスポケーンのちょうど中間ほど、コロンビアリバー沿いに位置する野外ホール The Gorge Amphitheatre。
米国北西部を南北に走る雄大なコロンビア渓谷を見下ろすその景観のため、Pollstar Magazineの"Best Outdoor Music Venue"を過去9度受賞している全米有数のロケーション。
去年の初めにシアトル周辺に移り住み、初めてこのフェスの存在を知ってからというもの、ずっと参加したくてしたくて、ついに今年実現したのだった。
だがしかし、そこは悲しき出張社員の身の上、ぜっかく全日通し券を手に入れたのに仕事の都合で全4日間のうち2日目と3日目しかいられず、この時ばかりは会場にどこからともなく湧いて集まってくるヒッピーな自由人たちの縛られてなさっぷりがうらやましく映ったけれど、そこは潔く諦めて2日分だけ楽しんだ感想を残そうと思う。フェスの紹介としてもお役に立てると嬉しい。なお自分が過去に参加したことのある野外音楽フェスはフジロックの1回きりなので、自然それと比較しながらという形になります。知識経験不足はご愛嬌ということで。
残念ながら写真を撮れるデバイスが初代iPhone3Gしかなくて、画質はしょぼしょぼなのだけどせっかく撮ったので載せときます。

*1:ちなみに話題になった映像は一昨年のサスカッチの模様。

続きを読む

伝説のアウトサイダーミュージシャンのドキュメンタリ"Jandek on Corwood" (2003)

Jandek on Corwood from Kimosabbe on Vimeo.

「ジャンデック〜謎のミュージシャンの正体を追う〜」という邦題で日本でも紹介されていた映画。

チューニングとかコードといった一般的な音楽的概念に一切乗らない、生まれてこの方音楽というものに一度も触れたことがないかのような、音楽の系譜の狭間に異次元世界から突然捻じ込まれてきたような、そんな奇妙な音楽を奏でるテキサス州の謎のシンガーソングライター、ジャンデックを追ったドキュメンタリ。

正直なところ彼の音楽を聴いても何かが揺さぶられるとか、感動するとかいうことはない。元々ビートレスな音楽が苦手なのもあるけれど、ただ、何が歌いたいのか、何をしたいのか、それが聴いていてもまったく見えてこない。弾いている顔、歌っている顔が見えない。何とも異様な感じ。

Chris Marker - "Sans Soleil" (1983)

http://video.google.com/videoplay?docid=-8240960507863855068#
Chris Marker - Sans Soleil (Sunless) 1/2

http://video.google.com/videoplay?docid=8879972189477821241#
Chris Marker - Sans Soleil (Sunless) 2/2


クリス・マルケルの哲学的擬似ドキュメンタリ「サン・ソレイユ」がGoogle Videoに。
日本とアフリカを主な舞台としたドキュメンタリの体裁を取った、この風変わりな前衛作品はかなり画期的だったそう。
ここで描かれている1980年代以前の日本という国、自分の知っている日本とはかけ離れたもの凄いカオスな異界に見えてくる。


街宣右翼竹の子族名画座、学闘、インベーダー、いかがわしい土産物街、新宿ヨドバシカメラのテーマ、"Hayao Yamaneko"なる謎の人物。
作中で流れる朗読は五木ひろし「愛の始発」の歌詞。

続きを読む

The Season Standard - Makkk

The Season Standard - Makkk from Moorworks on Vimeo.


ドイツのプログレッシブエレクトロポストロック。リズムは変態的ながら非常に良いノリで引き込まれる。かっこいい!

キング・クリムゾンのトレイ・ガンがゲスト参加しているとのこと。


(via Moorworks)

Hilary Pecis




取り上げるのは二回目なんだけど、一回目に取り上げた頃とは一見別人のような作風の変化。しかし、根底にあるものはあまり変わっていないような気もする。

無造作にもほどがあるチープなコラージュの中に過剰の美学を感じる。


>> Hilarypecis.com