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無風を待つ人の記録

風に流され生きてきた 風が止んでも生きていたい

気になる映画: Safety Not Guaranteed (2012)

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気になるアメリカ映画。偶然この予告編を見かけて、お、これは面白そう!と思って調べてみたら Rotten Tomatoes で91点もつけてた。しかも舞台がシアトルらへんだ。これは自分の嗅覚をかなり信じていいパターンだ。観たいぞ!

去年夏頃の映画だけど、日本に来る気配は今のところなし。役者がマイナーだと厳しいかなー、DVDスルーでツタヤに入れば御の字だな。。主演の女の子はえらいインパクトのある面構えでなんか見覚えあると思ったら "Scott Pilgrim vs. The World" で Julie Powers をやっていた子。ほー。しかし少なくとも日本でどマイナーなことには変わりないな。

Drive (2011)

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Drive (2011) / Nicholas Winding Refn

昨年のカンヌ映画祭監督賞受賞作品。米国に仕事で行った帰り、帰国便内で鑑賞。日本では3月に公開予定とか。

キャリー・マリガンは「わたしを離さないで」で初めて知って以来気になる人。うまく説明できないけどこういうタイプの女優は貴重な気がする。

キャバレー風のショッキングピンクのアートワークといい絶妙なチープさのエレクトロポップ*1といい、スタイリッシュなようでほんのりけばけばしい独特の雰囲気を醸している。強いて言えばギャスパー・ノエをだいぶマイルドにした感じか。

感情移入は全体的にしづらい。ストーリーはまあベタといえばベタだけど、前述の独特な演出と役者の組み合わせが面白かった。脇役のワルいおっさん共もみんないい味出ている。特にロン・パールマン。個人的にはJ.P.ジュネの「ロストチルドレン」の大男役の印象が強い。もう何やっても濃い役になってしまうことを運命づけられている、好きな部類の顔。

*1:音楽は初期レッチリCaptain Beefheartでドラムを叩いていたこともあるCliff Martinez。スティーヴン・ソダーバーグ作品などでよく楽曲提供している。

クエイ版「パノラマ島」: 「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク

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彼らの短編作品が好きで、かつテリー・ギリアムが製作総指揮ということでずっと観てみたかったんだけど、あまりそのへんでレンタルしてるような映画ではなくて、しばらく忘れていたところに会社の資料室で発見した。資料室マジ神。

で、期待を込めて観始めたのだけど、彼ら長編となるとあまり間が持たないんだなということがわかった。あらすじや結末からは乱歩の「パノラマ島綺譚」と「押絵と旅する男」を強く連想させるけれど、細部は正直初見では全然ついていけない難解さ。90分しかないのにすごい長く感じた。

とはいえ「異形の島」、「狂気の科学者」、「生身の人間から人間性を奪って自動人形にする恐怖と恍惚」、「破滅の音楽の演奏を企てる」、といった幻想ものの定番要素がぎっしりなので、好きな人はこの世界観に浸ってるだけで満足できるのは間違いない。

カットのひとつひとつは本当に美しい。陰翳ともやいだ色彩の非現実感が、ド耽美ではあるけれどクエイらしくて良い。地鳴りのような重低音と振動、といった彼らの常套表現も随所に出てくる。

マッドサイエンティストが住む島が舞台で、それが書き割りのような人工的な安っぽさをたぶん意図的に醸しているのも、「パノラマ島綺譚」や「モロー博士の島」を想起させる。島の外観はほとんど映らないけど、ラストカットはベックリンの「死の島」みたいだと思った。

とここまで書いて、後でDVDブックレットに入っていた監督インタビューを読んだらやっぱりベックリンを挙げてた。あと空の色がルネ・マグリットを意識してたのも推測通り。しかし島の書き割り感は別に意図的ではなく単なる予算の都合だったとのこと。全編デジタル撮影なのも予算の都合。監督、正直ですね・・

壁にぶつかり続けた二つの卵: マリオ・バルガス・リョサ「楽園への道」

book

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

読了メモ。

作者バルガス・リョサ国際ペンクラブ会長で、去年ノーベル文学賞を獲った人で、その昔ペルー大統領選でフジモリに負けた人。ラテンアメリカ文学に最近興味を持ち始めて読んだ。

西洋的価値観に侵される前の原始の美を追い、全てを捨ててタヒチに渡ったポールゴーギャンと、彼の祖母で、理想郷を夢見て革命運動に奔走した社会主義活動家フローラ・トリスタンの二人の半生を、ザッピングしながら並行に辿っていく。直接交わることのない二筋の物語が至るところ対比的で面白い。地の文では語り手自身が主人公たちに語りかけるという二人称視点になっていて、加えてあらゆる細部で作者の想像力がもはや改竄と言ってもいいレベルで踏み込みまくっていて、ある程度事実に基づきつつもいわゆる「伝記」の枠から完全に逸脱しているのがさらに面白い。

思想志向は全く違えど、世間に対し最期まで反抗し続け、惨めに、しかし気高く死んだ二人への作者の目線はどこまでも優しい。村上春樹エルサレムで言った、「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」の言葉を思い出した。リョサもまたそんな作家の一人なのだろうか。それでいて国家・システムという「壁」の頂上にある大統領の座を目指そうとしたのは興味深いといえば興味深い。

ゴーギャンというか印象派・ポスト印象派は全体的にあんまりわからないんだけど、妻がそのへん好きで画集や図録をたくさん持ってるので、この機にいろいろ借りてみるつもり。今ちょうど京都市美術館こんな展示やってるので、これも行ってみたい。

あとゴーギャンがモデルの小説といえばサマセット・モームの「月と六ペンス」もそう。ついでに読んでおくか。

Prvni Hore - Lamento

music

チェコの超絶ロックバンドPrvni Horeの3rdアルバム。バンド名の読み方はよくわからない。プルヴニー・ホジェとかそんな感じ?*1
昨年ザビエル・レコードさんで買ったのだけど、妻の実家のほうに届けられてからずっと回収する機会がなく、最近ようやく聴けた。2nd "Commedia dell' arte" と一緒に購入したのだけど、今はどちらも在庫切れ。


Uz Jsme Domaを筆頭として、チェコには本当なんと表現したらいいかわからない不思議ちきりんなロック・プログレバンドがそこら中に(田舎の農場の納屋とかに)いるイメージなのだが、彼らもまたとんでもなくヤバい。
プログレエスニックスラッシュメタル、ハードコア、クラシック、全てを取り込みつつクソハイテンションなバカ全開のノリでしかし時々とんでもなくメロディアスでしかもテクニカルな超展開だらけでしかもどこを切ってもチェコっぽいという色んな意味で非の打ちどころのないバンド。

しかしこの手のバンドはやはりいくら言葉を尽くしてもよくわからないと思うので、黙ってこの動画を見てほしい。


Prvni Hore - Naruby


私はこの動画の冒頭1分を聴いてCD購入を決めました。ピエロの人やばい。ドラムの顔が死んでるのもいい。
FinntrollやKorpiklaani(懐かしい!)のようなバイキングメタルの荒々しさとバカっぽい明るさが好きな人にも受けるかも。


他に"Otcenas", "Oceany"も良かった。
2ndはもっと荒削り感があったけど、こちらもなかなか。"Klaviry", "Morska", "Ukolebavka"あたりが好き。

*1:はてなだとASCII外のアルファベットが文字化けするので表記できなかったんですが、Prvniの"i"とHoreの"r"にはそれぞれチャールカ(´)とハーチェク(ˇ)が付いてます。

ネタバレ回避不能の裏「ソーシャルネットワーク」: "Catfish"

movie

だいぶ前に観たんだけど一応メモ。
ソーシャルネットワーク」の裏で密かに話題になっていたもう一つのfacebookものドキュメント、"Catfish"。日本未公開。米国滞在中にDVDを図書館で借りて鑑賞。

とりあえずトレーラーを見ればどういう運びの作品かはおわかりいただけるかと。facebookで美人と知りあって浮かれた男が、一目会いたい一心で彼女の住所を訪ねるが、そこで見たものは・・・という、「そこで見たもの」が何かというその一点だけで観客の興味を成立させている。

単なるビックリオチではなくて、十分に深みのあるテーマを含んでいて、個人的にはすごく観て良かったと思っているんだけど、ただ作品の構成上このテーマについてネタバレなしで触れるのが不可能なので、エントリを起こしてみたはいいけれど正直どう書いたらいいやら今ちょっと途方に暮れている。これネタバレなしで上手にレビューできる人いるのかな。

"Catfish"という謎めいた題名の意味も、最後にある人物の口からちゃんと語られる。そしてこれが意外と深い。悪く言えばモヤモヤした、良く言えば考えさせられる余韻があった。

ぶっちゃけ前半は早送りでいいんだけど、後半だけでも観る価値あり。真相が見え始めてからはとても面白かったです。


と、観てみたい!と思わせる目的のレビューはここまで。
以下、ネタバレ前提で感想を書き残しておこうかと思う。
未見の方はできれば映画のほうを観てください。(日本公開未定だけど。)

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Bon Iver - Bon Iver

music


Bon Iver - Perth


最近買ったCD。↑これ名曲すぎる。
Bon Iver はアメリカのシンガーソングライター Justin Vernon によるインディーフォークバンド。北欧だよと言われるとつい信じてしまいそうな音だけど、アメリカ。
母語じゃないし何となくの感覚なんだけど、歌詞の言葉運びがものすごく美しい感じがする。

I’m tearing up, acrost your face
Move dust through the light
To fide your name
It's something fane
This is not a place
Not yet awake, I'm raised of make


Still alive who you love
Still alive who you love
Still alive who you love


(Excerpt from "Perth" lyrics)

Fleet Foxesをもっとずっとデリケートに、ナイーヴに、透明にしていったような音。Fleetが素朴で暖かな木の感触なら、こちらはガラス細工。白鳥とかの。小さな小さな。首あたりですぐぽろりと割れてしまいそうな。


Bon Iver - Calgary


Bon Iver - Holocene


公式は以下から。

>> Bon Iver


Bon Iver

Bon Iver