無風を待つ人の記録

風に流され生きてきた 風が止んでも生きていたい

全身火ぶくれ・・・「世界サウナ選手権」の地獄絵図

'Sports from Hell': Hot Boxed


世界中のくだらないスポーツを紹介するルポルタージュ"Sports from Hell"(by Rick Reilly)からの抜粋で、フィンランドで開かれた"Sauna World Championships"(世界サウナ選手権?)の模様を紹介した記事。
屈強な男どもが熱々のサウナで我慢比べするという、何ともわかりやすくくだらない大会のことを面白おかしく紹介しているのだけど、その試合の模様は、こちらの想像をはるかに超えて地獄そのものだった。


以下は、著者が第一回戦を勝ち抜いた友人の元へおめでとうを言いに向かったとき、彼の体の異変に気づくくだり。

"Dude, were you breathing through your nose?" I asked.

"Yeah, why?" he said.

"Your skin is all gone under your nose! It's burned off!"

He felt his upper lip in horror. He ran to the mirror. The tops of his ears were split open and bubbling. Under his arms and on his back were bright purple patches. His forehead was painted bright red and blistering in front of his eyes. "Man, I'm burning up. Even my tongue is burned." His wife begged him to quit, but he refused. Said he had trained too hard. She shook her head.

(deadcalmによる適当訳)
「お前、ずっと鼻で息してただろ?」と私は尋ねた。
「してたよ。どうして?」彼は答えた。
「皮膚がすっかり(剥がれて)鼻の下に集まってしまってるぞ!焼け爛れてる!」
彼はぞっとして、上唇の感触を確かめた。そして鏡の前へ走った。耳のてっぺんは裂け、泡立っていた。腋の下や背中には、鮮やかな紫のまだら模様が広がっていた。額は真っ赤に染まり、火ぶくれが眼前にまで下がっていた。「完全に火傷しちまってるよ。舌まで火傷してる」彼の妻はリタイアするように懇願したが、彼は拒んだ。彼は引くに引けないほどトレーニングを積んできてしまったのだ。妻はかぶりを振った。

妻の嘆願を振り切り準決勝に進んだ彼の体は、さらに悲惨な状態へ・・・。この続きは、リンク先で。
一体何が彼らをそこまで駆り立てるのか。夢のような豪華賞品でもあるのか?気になる優勝商品の内容も、リンク先で。


著者自身も大会に参加して早々にリタイアしているのだが、脱落の瞬間のくだりもおもしろかった。

Watching other heats, I'd wondered why even losers came out grinning and raising their hands in victory, but now I knew. The cool air was so beautiful, so redeeming, so life giving. You could French-kiss Osama bin Laden.

(deadcalmによる適当訳)
他の試合を見ていたとき、私はずっと、なぜ敗者たちがにやにやと笑いながら、まるで勝者のように手を掲げて出てくるのか不思議に思っていた。が、今その理由がわかった。ひんやりした空気は本当に心地よく、生き返るようだった。今ならオサマ・ビン・ラディンフレンチキスだってできる。

ほんとにね、負けず嫌いをこじらせると難儀なもので。彼らはある意味この競争社会の犠牲者なのだ・・・!